スキューバダイビングのあれこれ

「ライセンスを取ること」が目的では有りません

ダイビングができる技術を習得することが目的

ダイビングのライセンスを取れば、世界中どこへ行ってもダイビングができます。

そして、講習を実施した場所と同じような条件の海域で、インストラクターやダイブマスターなど、プロのダイバーの引率無しに、バディ(Buddy)同士でダイビングを楽しむことができます。

これが本来の「ダイビングのライセンスを取る」と言うことです。

元々欧米で始まったこのダイビングのライセンスの仕組みはバディ(Buddy)同士でダイビングを楽しむために作られていて、インストラクターはお客様がそうなるためのお手伝いをするのが本来の役割です。
そして実際に欧米ではそのようになっていますが、日本ではそうなっていません。

日本のダイビングのスタイルは特殊です。
そのことが、結果的にお客様を未熟なダイバーにしてしまっているのかも知れません。

何が特殊なのか?

ダイビングのライセンスを取ると、本来はバディ(Buddy)同士でダイビングを楽しめるはずなのですが、日本ではバディ(Buddy)同士でダイビングをしている人は極く希です。

ほとんどのダイバーが、インストラクターなどのプロのガイドと一緒に潜っています。

このことが、全て悪い訳では有りません。
しかし、間違いなく言えることは、お客様は未熟なままでダイビングをしていることになり、それが結果的にお客様の安全性を損なうことになっています。
「インストラクターがいるから安心」と思っているとしたら、それは大きな間違いです。
実際に、ダイビングにおける事故はインストラクターが引率している状況で起こっています。
詳しくはこちらをご一読下さい

本当に安全に潜りたいなら、自分自身が安全に潜れるようにダイビングの技術を習得し、海の環境に慣れるまでたくさんの経験を積むこと以外に有りません。

ダイビング業界の一番の問題点

日本におけるダイビング業界の一番大きな問題は、「ダイビングのライセンスが誰でも3日や4日で取れてしまう」と言う点にあります。

どんなスポーツでも、新しく習うことにはその技術の習得度合いに個人差が有ります。
器用な人、不器用な人。運動神経の良い人、良く無い人。若い人、年配の人。
それぞれ個人差が有って当然です。

スポーツだけでなく、車の免許も同じです。
車の免許はダイビングに比べてたくさんの時間を練習しますので、まだその個人差は埋められるかも知れませんが、それでも人によって免許取得までの期間は違ってきます。

なのに、何故ダイビングのライセンスは3日や4日で取れてしまうのでしょうか?

しかも、他のスポーツよりも命に関わる可能性があるスポーツであるにも関わらず・・・

そもそも、ダイビングのライセンスのカリキュラムを作り、ライセンスを発行している大元のPADIでも、3日や4日でライセンスを発行するように決めている訳では有りません。
その逆で、一定のレベルに達していなければライセンスを発行してはいけないことになっています。3日や4日でライセンスを発行するというのは、最低限の日数であり、技術のマスターが早い人ならその日数でも取れるという目安に過ぎません。

にも関わらず、ほとんどのダイビングショップが3日や4日の講習でライセンスを発行しています。

これはおかしいと思いませんか?

この日数で全ての人が充分な技術を習得できると言うような魔法は有りません。
そんな魔法が有れば、誰でも簡単にオリンピック選手になれてしまいます。

結局のところ、未熟なダイバーを量産しているのが今のダイビング業界の現状なのです。

 

困るのは誰か?

技術が未熟なままダイバーになって、一番困るのはそのお客様自身です。
まだ未熟と言う認識が有って、ライセンスを取ったあともダイビングに取り組めれば良いのですが、その未熟さに気付いてさえいない方も多くいらっしゃると思います。
そして、”ダイビングのライセンスを取れたから、自分はもうどこで潜っても大丈夫”と勘違いしてしまいます。

当店では、ライセンスを取られたお客様が、世界中どこへ行っても安全に楽しくダイビングを続けて頂けることを願っています。
そして、絶対に事故に遭って欲しく有りません。

幸い、2002年の開業以来、当店では一度も事故は有りませんし、当店でライセンスを取得されたお客様が事故に遭ったという話も聞いていません。

決して高いハードルでは無い

当店では、全てのお客様がしっかりとした技術を身に付けるまでライセンスを発行していません。
ダイビングのライセンス取得コースは、ダイビングスクールにとってメインの商品です。妥協してライセンスを発行することは、お客様に不良品を提供しているのと同じことです。

しかし、きちんとしたスキルを身に付けるのは決して高いハードルな訳では有りません。
大半のお客様が規定の4日間でコースを修了しています。

4日間でコースが修了しなかった場合

4日間でコースを修了しなかったお客様も、通常のダイビングツアーにご参加頂きながらスキルを身につけていただきます。
追加の講習料金は頂いておりません。
他の初心者のお客様と同じようにダイビングをして頂けますし、

絶対に習得して頂くべきスキル

PADIのダイビングライセンス取得コースでは、かなりたくさんのスキルを習います。
どれも大事なスキルには違い有りませんが、その中でも、絶対に上達して頂かないと困るスキルがいくつかあります。

インストラクターの技を盗もう

「インストラクターはお客様を守れない」と書きました。
でも、だからと言ってインストラクターが必要ないと言う意味では有りません。
初心者のお客様は、海に慣れるまでインストラクターと一緒に潜った方が良いです。

矛盾しているように思えるかも知れませんが、初心者の方はインストラクターと潜った方が断然得るものが多いからです。

オープンウォータダイバー講習では、そのトラブルに対応するためのスキルを習います。
実は事故の多くは、それが未熟だったために起こっています。
言い換えると、トラブルの多くは自分で引き起こしているものが多いのです。

オープンウォータダイバー講習で習うスキルをしっかり身につけることで、まずは自分自身で引き起こすトラブルを防ぐことができます。

しかし、実際にはそれだけでは不十分です。
ダイビングは潜る場所や天候、海中のコンディションなどによって様々な状況判断をしながら潜ります。
ダイビングのライセンス取得講習では網羅できない、たくさんのスキルを適用しながらダイビングをするのです。
それらの技術を身につけるには、やはりインストラクターと一緒に潜って身につけるのが早道です。

大切なのはお客様の意識

安全に潜るためには、インストラクターに頼らなくても自分で潜れるようになることが大切だと書きました。
そのために肝心なのは、自分で潜れるようにしてくれるお店で潜ること。
最初に書きましたが、日本のダイビングショップはインストラクター付きで潜ることを前提として成り立っています。
そう言う意味では、お客様がインストラクターと一緒に潜らないで自分たちで潜るようになるのは、お店にとっては困ることでも有ります。
だからと言って、その技術を教えないのは本末転倒です。
きちんと教えてくれるお店で潜って、最終的に自分で潜れるような技術を身につけて下さい。
その上で、より安全性を高めるためにインストラクターと潜るのは良いことだと思います。
そして、そうなるためには、お客様が常に意識してスキルアップすることが大事です。
インストラクターに頼って頂けるのは嬉しいことですが、頼ってばかりいては自分自身の技術が伸びていきません。

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