ダイビング用語集

オーバーウェイト、適正ウェイト

ダイビングのライセンスを取得する時に学んだ適性ウェイト。

みなさんは意識していますか?

実は適性ウェイトで潜るのはとても難しいことなのですが、特に初心者の方は早く自分の適性ウェイトを把握して、安全にダイビングができるようにして下さい。

適性ウェイトとは?

適性ウェイトとは、自分にちょうど良い重さのウェイト(重り)を付けることです。そもそも、なぜダイビングではウェイトを付けるのかご存知ですか?それはウェットスーツやドライスーツを着るからです。人の体は元々少し沈むように出来ているようで、例えば水着だけで水に入り、水面に対して体を垂直にして(立ち泳ぎの状態)、息を全て吐くとゆっくり体は沈んでいきます。逆に、水面で息を一杯に吸い込んでいる状態だと体は沈まないようにできています。

ダイビングではウェットスーツやドライスーツを着用しますが、これらのスーツはとても浮力があるため、沈むことができません。このスーツの浮力を相殺してあげるためにウェイトを付けるのです。ですから、もしウェットスーツを着用しない状態(水着だけ)であれば、ウェイトは必要なくなります。

適性ウェイトとは、水面でスーツを着ていないのと同じ状態になるように、スーツの浮力を相殺できる分だけのウェイト量の事を言います。これよりウェイトが少ないとスムーズに潜降できませんし、ウェイトが多すぎると体がすぐに沈んでしまいます。

適性ウェイトかどうかは、水面にいる時の状態で判断します。これが重要なポイントです。
判断の仕方は、スーツを着て体を水面に対して垂直に保ち(立ち泳ぎの状態)、BCDの空気を抜いた状態にします。この時、普通に息をしているとちょうど目線の当たりに水面が来て、息を吸ったり吐いたりするのに伴って体が少し上下します。普通に息をしていると潜降することができません。そしてしっかり息を吐ききると、ゆっくり体が沈んでいきます。この状態が適正ウェイトです。

※上記の説明は人によって個人差があり、全ての人に同じ状態が当てはまる訳ではありません。また、タンク(シリンダー)やBCDなどの種類によっても違いがあります。

なぜ適性ウェイトで潜るのが難しいのか?

適性ウェイトを把握する難しさ

適性ウェイトで潜る難しさの一つは、自分にとって何キロが適正ウェイトかを把握することです。何故なら、適正ウェイトは装備によって変わるからです。まず、スーツの種類によって大きく違います。着用するスーツがウェットスーツなのかドライスーツなのかによって浮力が違うため、適正ウェイトも違います。またスーツの生地の厚さによっても浮力は変わります。一般的には3ミリと5ミリがありますが、3ミリよりも5ミリの方が浮力が強いため、装着するウェイトは重くなります。
同じ5ミリのスーツでも、新品のスーツと使い込んだスーツとでは浮力が変わります。

スーツの中に着るインナーも浮力に影響します。特にドライスーツの時は水温によって中に着るインナーが変わり、水温の高い時期は薄いものにしますが、水温の低い時期は重ね着をしたり生地の厚い物を着用するため、それだけでもウェイト量は変わります。フードやフードベストもかなり浮力に影響します。

タンク(シリンダー)の種類によっても違いがあります。タンクの素材はアルミタンクとスチールタンクに分かれますが、スチールタンクの方がアルミタンクよりも重いため、スチールタンクを使用する時はウェイトは少なくてすみます。また、タンクの大きさは一般的に10リットルですが、もっと小さい物もあれば大きい物もあります。

BCDやレギュレータも微妙に重さが違ったり浮力が違ったりします。

このように、装備やタンクの種類が変わればウェイトも変わるため、その時々で自分の適性ウェイトが何キロかをしっかり把握して、いつも適性ウェイトになりようにしておく必要があります。

そのためにも、ログブックにはその時に使った装備やタンクの種類、またその時潜った状態が適正ウェイトだったのか、あるいは重すぎたとか軽すぎたとかを記載しておき、自分の適性ウェイトを把握できるようにしておきましょう。

「いつもインストラクターに言われたウェイトを付けている」と言う人は、早く自分のウェイト量を把握して、「必要なウェイトは〇キロです」と言えるようにしておきましょう。

潜降スキルの難しさ

適性ウェイトの状態では、息をしっかり吐かないと潜降できません。そして、息をしっかり吐いて潜降が始まっても、またすぐに息を大きく吸ってしまうと浮いてしまいます。そして浮いたり沈んだりを繰り返して、なかなか潜降出来なかったりします。初心者の方は、特に潜降時はどうしても緊張してしまうために息が上がってしまい、潜降に時間がかかります。これには慣れも必要です。なかなか沈まないからと言って、重いウェイトを付けるのは得策ではりません。慣れないうちはインストラクターに手伝ってもらっても良いですし、潜降ロープがあるなら最初はロープを引っ張って潜降する方法でも良いと思います。とにかく適性ウェイトで潜れるように練習しましょう。ただし、ウェイトが軽すぎても潜降は難しくなります。最初は自分のウェイトが軽いのか重いのかの判断も難しいと思いますので、これもインストラクターに見てもらうなり相談すると良いですね。

以前お客様から、「私も早く潜れるようにしたいのでウェイトを重くして欲しい」と言われたことがあります。私が早く潜降出来ているのをみて、自分もそうなりたいと思われたそうです。実は私たちはいつもオーバーウェイトで潜っています。これは、ウェイト量の見積もりを誤り、軽すぎて潜れないお客様がいた時のために、お客様にウェイトを追加できるように余分に持っているからです。

適性ウェイトのメリット、オーバーウェイトのデメリット

浮力コントロールの上達

オーバーウェイトでもBCDの空気の量をコントロールすることで中性浮力になります。「ウェイトが重かったから中性浮力にならなかった」と言うのは間違いで、それは単純にBCDの空気量の調整が出来ていなかっただけです。でも、初心者の方に中性浮力を早くマスターして頂くためにも、適正ウェイトでダイビングをする方が上達は早いと思います。適性ウェイトで潜ると、浅い水深であればほぼBCDの調整はしなくても自然に中性浮力になります。まずは中性浮力の状態がどういうものなのかを体の感覚で覚えてもらい、中性浮力でない状態に違和感を感じる様になっていただくことが中性浮力マスターの第一歩だと思っています。オーバーウェイトでも中性浮力にはなりますし、深度が深くなれば必然的にオーバーウェイトの状態になりますので、どんな状態でも中性浮力に出来る様にしないといけませんが、最初からオーバーウェイトの状態では浮力コントロールの上達はより難しくなってしまいます。

オーバーウェイトのリスク

オーバーウェイトでも中性浮力にはなります。しかし、トラブルがあった時に、オーバーウェイトだとさらにリスクが高くなってしまいます。

こんな事も覚えておくと良いですよ

ダイビングの1本目の2本目で潜降のし易さに違いがあると思ったことは有りませんか?1本目に比べて、2本目の方が早く潜降できたりスムーズに潜降できたりと言う経験をした方もいらっしゃるかもしれません。

これは、1本目と2本目では緊張感が違い、2本目の方がリラックスしていたという理由もあるかも知れません。そしてもう一つ、その日の最初に潜る時のウェットスーツの浮力と、一度潜った後のウェットスーツの浮力は微妙に違います。こういう場合、あくまで適性ウェイトは2本目(1本目のダイビング終了時点)を基準にして考える方が良いでしょう。

それから、基本は適正ウェイトですが、必ずしも適正ウェイトだけが良いとは限りません。例えば、ごく浅い場所でダイビングをする場合には、少し重めのウェイトの方が楽にダイビングができます。特に写真撮影をする際に、浅い場所で適性ウェイトで潜っていると体が安定せずにふらふらしてしまい、上手く撮影できません。そんな時にはウェイトを少し重くして潜ります。もちろん、オーバーウェイトで潜ることになるので、緊急時の対応もしっかり頭に入れて練習しておく必要があります。

ダイビングの潜降は、基本はフィートファーストで、立ち姿勢のまま潜降していきますが、フィートファーストが上手に出来る様になり、かつ自分のウェイト量がきちんと把握できていれば、ヘッドファーストも活用すると良いですね。

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